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松本人志・中居正広騒動にみる”男の性”のゆらぎ〜婚活心理学 vol.2

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はじめに:

皆さん、ようこそお越しくださいました!婚活メンターのひろです。
本日は「松本人志・中居正広騒動にみる”男の性”のゆらぎ」と題してお話しします。最近のスキャンダル、皆さんもご存知ですよね?


松本人志さん、中居正広さんは一体、どこで間違えたのか?どこで道を踏み外してしまったのか?

私が言う“道”とは、芸の道ではなく、“性の迷路”のことです。


彼らはどのような価値観のもとで生き、どんな無意識のビリーフ(信念・思い込み)に縛られていたのか?

そこに焦点を当ててみたいと思います。2人に共通する負のビリーフはなにか?


この会場の中にも婚活中の方が大勢いるのではと思います。(笑)実は最近、婚活市場でも「男らしさ」「女らしさ」に関する戸惑いが多く聞かれます。

これは一体なぜなのか?その答えを一緒に探っていきましょう。



内容

第1章:ボーヴォワールが見た「第二の性」と松本人志・中居正広性加害騒動

第2章:「性」幻想が生み出す不自由〜婚活の現場でも

第3章:「性の役割」固定化を超えて

第4章:結婚におけるセクシャリティの変容

第5章:結論「性を幻想にしない、探求の場とする」〜婚活中から意識せよ


第1章:ボーヴォワールが見た「第二の性」と松本人志・中居正広性加害騒動

皆さん、『第二の性』ってご存知ですか?フランスの哲学者、シモーヌ・ド・ボーヴォワールが書いた名著です。

彼女は「人は女に生まれるのではなく、女になるのだ」と言いました。つまり、社会が「男らしさ」や「女らしさ」を規定し、私たちの性の在り方を決めているということです。

松本人志さん・中居正広さん この2人の性加害騒動が示しているのは、私たちの社会に根付く「男らしさとはこうあるべき」「女らしさとはこうあるべき」という無意識のビリーフ、これをジェンダーバイアスと呼びますが、もはや現実と噛み合わなくなってきているということです。

たとえば、成功した男性や力のある男性は、「自由に女性と関係を持っていい」「却って箔がつく」「芸の肥やしになる」という古い価値観が、現代のジェンダー意識やコンセンサスの重視と衝突しています。


松本人志さん、中居正広さんもまた、この芸能界という特殊な社会の“性の迷路”の中で、「男らしさの間違った使い方に囚われて」自らの振る舞いがどこに位置づけられるのかを見失ってしまったのかもしれません。

現代の婚活市場では、「男らしさ」が問われ、「女らしさ」もまた評価される一方で、「男はどこまでリードするべき?」「女らしさが足りないとダメ?」「奢られない女性は価値がないの?」といった声がよく聞かれます。


従来の「男らしさ」「女らしさ」の規範が揺らぎ、通用しなくなりつつあります。

その結果、多くの婚活者がどのように振る舞うべきか迷い、自信を持てなくなっています。






第2章:「性」幻想が生み出す不自由〜婚活の現場でも

松本人志さんと中居正広さんに関する騒動。

これは単なるゴシップではなく、日本社会の「性幻想」が崩壊している証拠です。かつて、成功した男性が複数の女性を囲うことは「男らしさ」の証とされ、それが許容される社会構造がありました。

しかし、現代ではそのような振る舞いは「権力の濫用」や「ジェンダー不平等」として厳しく批判されるようになりました。

この価値観の変化が、「男らしさ」を盾にした彼らの行動が、女性蔑視と受けとられ、問題視される背景にあるのです。

かつて一昔前まで、「男らしさとは女を追い求めるもの」「女らしさとはそれを受け入れるもの」という価値観が当たり前でした。

でも、今はどうでしょう?多くの人が「それは違うのでは?」と疑問を抱き始めています。

婚活の現場でも、「甘えられない女性は男から好かれない」「男らしさを示すためには女性をリードし、奢るべきだ」といった考え方が根強く残っています。
しかし、それに違和感を抱く婚活者も増えてきました。

ある調査によると、30代の未婚男女の約60%が「異性との関係で適切な振る舞いが分からない」と答えています。

たとえば、国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査(2021年)」によると、25~34歳の未婚者が独身でいる理由として、男性の20.0%、女性の18.2%が「異性とうまくつきあえない」と回答しています。


これは、私たちの「性の役割」に対する考え方が過渡期にあることを示しているのです。



第3章:「性の役割」固定化を超えて〜新しい関係性の構築

松本人志さんと中居正広さんの騒動を見ていると、私たちが当たり前だと思っていた「男らしさ」とは、一体何だったのかを考え直さざるを得ません。

ボーヴォワールは、女性が長い歴史の中で「客体」として扱われてきたとも論じました。

つまり、女性は「他者のための存在」として生きることを求められ、自己決定権を持たずに男性の価値観に従う立場を強いられてきたのです。

彼女が「女性は主体であるべきだ」と言ったのは、女性が 自分自身の人生の主人公(主体)として生きるべきであり、男性の従属物(客体)であってはならない という主張です。

女性自身が選択し、自立し、自己を確立することこそが自由である、と彼女は説きました。

現代の文脈で「男性もまた主体であるべきだ」と言われるのは、実は皮肉な含みを持っています。

「男性もまた社会の規範や期待に縛られて生きている」と捉えられるようになったからです。



婚活市場での男の価値の階層化:

例えば、婚活市場にしぼって考えてみても、「男らしさ」とは稼ぐことなのか?「女らしさ」とは常に優しくあることなのか?こうした疑問が投げかけられています。


さらには「男は強く賢くなければならない」「男は性的に魅力がないといけない」といった社会の期待や圧力によって、男の価値が階層化され、男性もまた「客体」として規定されてしまっている、という視点があります。

そのため、男性もまた、社会や親の期待に縛られず、自分の人生を自由に主体的に生きるべきだという主張になります。

そこから解放されて真に主体的に生きるべきだという意味が込められている。

ジェンダーに捉われず、自分自身の行動を自分の意志で選び取る。わかりやすくいうなら「自分の人生という車のハンドルは自分が握る」ことを意味しているのです。これは性に関しても同様です。

男性であれ、女性であれ、自分の性のハンドルは自分が握る。「男らしさ」や「女らしさ」の定義は本人の自由意志に基づく選択に任せられて然るべきなのです。


つまり、「男らしさ」「女らしさ」という固定観念ではなく、関係性の中で役割を柔軟に調整する時代なのです。


婚活の場面でも、「男らしさ=男性がリードするべき」とか「女らしさ=女性は受け身であるべき」といった考え方を一度疑ってみる必要があります。

ジェンダーフリーという言葉がよく聞かれるようになりましたが、大事なのは「現実の関係性の中で、どう役割を決めるか」「男女でどう分担するか」ということです。






第4章:結婚におけるセクシャリティの変容

さて、ここで重要なのが「性の探求」です。結婚におけるセクシャリティは、単なる生理的な営みではなく、「関係性を深めるための実践」として捉えることが大切です。


心理学者エーリッヒ・フロムは『愛するということ』の中で、「愛は技術であり、成熟した人格によって習得されるもの」と述べていますが、これは性にも当てはまります。

性は本能的な衝動ではなく、「理解と対話によって育てるもの」だからです。



では、性の探求とは具体的に何を指すのか?

それは、単なる行為の快楽を超えて、相手との心理的・感情的なつながりを築くこと、自分自身の欲求や価値観を知ること、パートナーと共に対話を重ねながら関係性を進化させていくことを意味します。

愛は感情ではなく、「理解・ケア・責任・尊重」を伴う行為です。これは性においても同じこと。

互いの欲求や境界線を尊重しながら関係を築くことが重要です。



「性の相性」は育てるもの


婚活市場では、間違った思い込みによって「性の相性」が重視されがちですが、本当に大事なのは、精神的なつながりや相互理解を深めることなのです。

それは 事前に決まっているものではなく、二人で築いていくものです。


実際のところ、初めから完璧に噛み合うカップルはほとんどいません。身体的なフィット感よりも「お互いの価値観を知り、歩み寄ることができるかどうか」が、長い結婚生活の中では何よりも重要になります。


では、性の相性をどのように育てていけばよいのでしょうか? ポイントとなるのは 「対話」「尊重」「関係性の成熟」 の3つです。


・率直に対話すること

性について遠慮せず話し合えることが、満足度を高めます。「何が心地よいか」「どこに違和感を感じるか」を伝え合うことが大切です。

どちらかが我慢するのではなく、互いにすり合わせていく姿勢を持ちましょう。


・お互いを尊重すること

「男性がリードするべき」「女性は受け身であるべき」といった固定観念を手放します。性的な欲求や境界線は個々に異なるため、無理に合わせるのではなく、お互いのペースを尊重することが大切です。

「性欲の強さ」や「回数」よりも、 「二人が心地よく過ごせること」 を最優先に考えます。


・関係性を成熟させること

性的な満足度は、テクニックではなく「信頼と安心感」によって決まります。日常のスキンシップや優しい言葉が、夫婦の親密さを育てる鍵になります。

長く続く関係ほど、性の形も変化していくため、その変化を受け入れることが大切です。


このように、「性の相性」とは あらかじめ決まったものではなく、関係性の深まりとともに変化していくものです。

婚活や結婚において、「相性が合うかどうか」ではなく「どのように育てていくか」 という視点を持つことが、成熟したパートナーシップを築く鍵となります。



第5章:結論「性を幻想にしない、探求の場とする」〜婚活中から意識せよ

ボーヴォワールの時代には「女性は主体になれるか?」が問われていました。

しかし、現代では「すべての人が主体になれるか?」が問われています。

これは単なるジェンダーの問題ではなく、「個人が、自らのセクシュアリティをどう捉え、どう関わっていくのか?」という根本的な問いへと発展しています。


ジェンダーレス社会の進展、非伝統的な家族形態の増加、多様なライフスタイルの受容——これらの変化は、「新しい性の在り方」を模索する時代へと私たちを導いています。

もはや「男らしさ」「女らしさ」という社会が作り上げた幻想に縛られる理由はありません。自由であるがゆえに、私たちの選択が問われる時代になったのです。



性幻想の崩壊と、新たな探求の始まり」


松本人志さんや中居正広さんの騒動は、日本社会における「性」と「性の役割」の価値観が変化していることを浮き彫りにしました。かつては許容されていた振る舞いが、今では厳しい批判にさらされる。


それは、単なる倫理観の変化ではなく、「性とは何か?」という私たちの根本的な認識が問い直されているからにほかなりません。


では、婚活市場にいる人々は、この変化をどう捉えればよいのでしょうか? 大切なのは、「男らしさ」「女らしさ」に囚われることではなく、「自分にとって何が最良か?」を、パートナーとの関係性の中で探求していくことです。

恋愛や結婚において、性は単なる生理的な営みではなく、「お互いをより深く理解し、つながるためのプロセス」なのです。



「性を幻想にしない。結婚で性を探求の場とすることもできる。


この言葉こそが、これからの時代に求められる、新しい関係性の指針ではないでしょうか。

婚活の現場では、「相手と性的に合うか?」ということがしばしば話題になります。しかし、本来のセクシュアリティは「事前に決まるものではなく、二人で育てていくもの」です。


性を「社会が作った幻想」として消費するのではなく、「個々人のリアルな関係性や自己理解を深める場」として捉え直す。

この視点を持つことで、性は単なる快楽の追求ではなく、人生の中での大切な探求領域となりうるのです。


結婚とは、固定された「役割」や「義務」に縛られるものではなく、互いの価値観を模索し、関係性を進化させていくものです。

これからの時代、私たちは「性をどう生きるか」という問いと向き合いながら、新しいパートナーシップを築いていく必要があるのではないでしょうか。


今日はご清聴、ありがとうございました!

さて、次の婚活心理学セミナーでは、「男が結婚したくない理由」について掘り下げて話していく予定でいますので、お楽しみに!



(婚活メンター・ひろ)





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